久留米市を擁する筑後地域は周囲を山に囲まれているため内陸型気候であり、
年間降水量が多い地域なので一戸建てを設計する際は屋根および外壁などに防水施工を行いましょう。
福岡市を擁する福岡地方は乗用車の保有率が多く、
一戸建てを設計する際は広い駐車スペースを備えることをおすすめします。
物件の完成後に構造や間取りを変えることは難しいので、
一戸建てを建てる際は地域ごとの特性を把握して設計しましょう。
近年一戸建ての取引動向が好調に推移している福岡。地域別の地価動向では
福岡市・久留米市などで指数がプラスに伸張しており、
今後もさらに一戸建ての建設が増えるかもしれません。[注1]
今回は、福岡エリアで一戸建てを設計する際に注意するべきポイントを解説します。
[注1] 第6回福岡県不動産市況DI調査|公益社団法人福岡県不動産鑑定士協会 [pdf]
http://www.farea.jp/di/pdf/DI_fukuoka_201802.pdf
1.久留米市など降水量が多い地域の一戸建ては防水対策を施す
久留米市のように降水量が多い地域で一戸建てを設計する際は、防水対策を施しましょう。
防水性が低い一戸建ての場合、屋根や外壁などから雨水が浸水して内部の構造体が劣化してしまいます。
久留米市を擁する筑後地域は耳納山地や古処山地などの山に囲まれている環境であるため、
内陸型気候で年間の降水量は1,600mmを超えるシーズンも。
山間部など一部の地域では年間降水量が2,400mmを超える場合があるため、
高水準な防水対策を施しましょう。[注2]
一戸建ての防水性を高めるためには、雨水が侵入しやすい屋根および外壁などに
防水施工を行う必要があります。
主な防水工法は以下の4種類であり、木造の場合はFRPまたはウレタンがほとんどです。
アスファルトは強度が高く耐用年数も長いですが、重量があるため木造には相応しくありません。
*FRP:軽くて耐久性の高い強化プラスチックを使い防水層を形成する工法
*ウレタン:ウレタン樹脂を使用して防水層を形成するコストが低い工法
*シート:部材の下地に防水シートを貼り付けて防水性を高める工法
*アスファルト:形成した防水層の上にアスファルトを敷き強度を高める工法
[注2]県のすがた(地勢、位置、面積、気候)|福岡県
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/gaiyou-sugata.html
2.福岡市など車の保有率が高い地域の一戸建ては広い駐車スペースが必要
福岡市のような乗用車の保有率が高い地域で一戸建てを設計する際は、
普通車を余裕で停められる広い駐車スペースを設けましょう。
福岡県は九州地方において乗用車の保有台数が多い地域であり、
2018年9月時点の保有台数は約261万台です。
約261万台のうち、およそ43%の約112万台が福岡市を擁する福岡地方に存在します。[注3]
駐車スペースが狭い物件の場合、ご家族のいずれかが免許を取得してセカンドカーを保有したときや、
親族・知人などが車で来客した際に駐車が不便となってしまいます。
現時点では車を保有していなくても、ご家族が将来的に通勤などで
乗用車や二輪車が必要になるかもしれません。
また、完成した一戸建ての駐車スペースを後から増やすことはコストがかかるため、
設計する際は普通車を2台ほど停められるスペースが望ましいでしょう。
[注3]自動車保有車両数 平成30年9月分|国土交通省九州運輸局[pdf]
http://wwwtb.mlit.go.jp/kyushu/content/syaryousuu30-09.pdf
福岡県は地域によって気象・車の保有率といった地域性が異なります。
物件が完成した後に構造体や間取りを変更することは難しく、
一戸建てを設計する際は各地域の特性を把握して適宜な設計を行いましょう。